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はじめてのミニPC おすすめモデル紹介

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最近、私は新しいPCとしてミニPCの購入を検討しています。

調べてみると、オフィス向けの静音モデルからゲーミングやAI用途を目的とした上位機まで幅広いラインアップがあることが分かりました。

そこで今回は自分が調べた中から、用途別におススメするモデルを紹介したいと思います。

目次

  1. ミニPCを選ぶ際のチェックポイント
  2. デスクワーク・リビング向けモデル
  3. ゲーミング & AI向けモデル
  4. おわりに

ミニPCを選ぶ際のチェックポイント

この記事では初めにミニPCを選ぶ際のポイントを紹介します。

ミニPCは用途ごとに必要なスペックが変わります。オフィス用かゲーム/デザインまたはAI用かをはっきりさせて選ぶと、買った後の不満を減らせます。

購入の際に確認するべき主なスペック構成は以下の7つです。

  1. CPU
  2. メモリ
  3. ストレージ
  4. GPU
  5. インターフェース
  6. その他

基本的に、ミニPCは上記のスペック構成を購入者が後からグレードアップすることはほとんど出来ません。

そのため、購入前に「自分が望んでいることを叶えてくれそうか?」という疑問をこれらの情報から解消する必要があります。

1.CPU

ブラウジングやオフィス作業、動画視聴中心なら省電力系のローエンド・ミドルレンジクラスのCPUで十分です。ゲーム用途であれば、処理性能が高いハイエンドCPUを選ぶ必要があります。

以下は用途別に応じたCPUの大まかなシリーズになります。

CPUカテゴリシリーズ例
ローエンド・ミドルレンジIntel N95/N100、Intel Core i3-U、AMD Ryzen 3 5300U など
ハイエンドIntel Core i5/i7/i9-P・H シリーズ、AMD Ryzen 7/9 HS・HX シリーズ
AI・クリエイティブ特化Intel Core Ultra 7/9 + Arc GPU、AMD Ryzen 7 7840HS + Radeon 780M など

ポイント
常時稼働や省電力重視ならTDP 15W前後のAlder Lake-NやRyzen 3 Uシリーズが静音で扱いやすく、ゲームやAI用途では45WクラスのCore i7/i9-HシリーズやRyzen 7/9 HSシリーズが快適です。世代が新しいほど内蔵GPUの性能やAV1エンコード、AI支援機能が強化されているため、予算と用途に合わせてベンチマークスコアや電力設計(TDP/TDPアップ設定)を確認しておくとミスマッチを防げます。

2.メモリ

パソコンの「メモリ」は、プログラムを動かすための作業台の広さのようなものです。プログラムの作業台が広ければ広いほど、同時にたくさんのデータや機能を効率よく使うことができます。一般的にメモリが多いほど同時に多くの処理をスムーズにこなせますので、 インターネットを見ながら動画を再生したり、写真を編集したりといった複数の作業を同時に行うことが可能です。

逆に、メモリが少ないと動作が遅くなったり固まったりすることがあります。逆に十分なメモリがあれば、快適に作業を続けられます。

このように説明すると「メモリが多ければ多いほど良い」ということになりますが、メモリ容量に比例してパソコンの価格は高くなります。

目的とする用途に応じてどれくらいのメモリ容量を求めるか変わります。

ポイント
オフィス用途やちょっとしたWeb利用目的であれば16GB以上あれば大丈夫だと思います。逆に、ゲームやデザインソフト(画像・動画編集)を使うなら少なくとも32GB以上は欲しいところ。

なお、現在よく利用されるメモリはDDR4とDDR5と呼ばれる規格ものです。一般的にメモリ容量が同じでもDDR5はDDR4よりも性能が上です。 そのため、オフィス用途であればDDR4で十分、ゲーム用途であれば積極的にDDR5を搭載したものを狙いましょう。

3.ストレージ

ストレージはOSやアプリ、写真や動画といったデータを保存する“倉庫”にあたります。ミニPCの場合、NVMe SSDやSATA SSDが主流で、転送速度を重視するならPCIe接続のNVMe SSDを選ぶと起動や読み込みが高速になります。

容量は用途に応じて選びます。オフィス用途やブラウジング中心なら256GB〜512GBで十分ですが、ゲームや動画編集、AIモデルを扱うなら1TB以上が安心です。外付けSSDやNASを併用できる環境なら、内蔵ストレージはシステム用に割り切っても運用しやすいでしょう。

ポイント
NVMe SSD(PCIe Gen4×4など)を搭載したモデルはロード時間が短く、体感速度が大幅に向上します。ストレージを増設・交換できるモデルかどうか、将来的な拡張余地をチェックしておきましょう。

4.GPU

GPU(グラフィックス処理装置)は、映像処理や並列計算を担当するパーツです。ミニPCではCPU内蔵GPUで十分なモデルと、外付けGPUや専用GPUを前提にしたモデルがあります。動画視聴や事務用途なら内蔵GPUで問題ありませんが、3Dゲームや映像編集、AI推論を想定するなら専用GPUやeGPU(外付けGPU)対応モデルを検討しましょう。

最近はAMD Ryzen 7040シリーズなど、内蔵GPUだけでも軽いゲームやGPUアクセラレーションがこなせるAPUも増えています。どこまでのグラフィックス性能が必要か、想定するソフトの動作要件を事前に確認しておくと安心です。

ポイント
軽めのゲームや動画編集なら高性能APU(Ryzen 7 7840HSなど)で十分。3DレンダリングやAI学習を本格的に行うなら、Thunderbolt/USB4やOCuLink経由で外付けGPUを増設できるかが重要です。

5.インタフェース

ミニPCは筐体が小さい分、搭載ポートの種類と数にばらつきがあります。USBポート(Type-A/Type-C)、映像出力(HDMI、DisplayPort)、有線LAN、オーディオ端子、SDカードスロットなど、日常的に使う機器を接続できるか事前にチェックしましょう。

特にType-C/USB4やThunderbolt 4に対応していると、高速外付けSSDやドッキングステーション、eGPUの利用が容易になります。マルチディスプレイ環境を組む場合は、対応解像度やリフレッシュレート(HDMI2.0/2.1など)も確認すべきポイントです。

ポイント
仕事で使う周辺機器の接続要件を洗い出し、必要なポートが足りない場合はドッキングステーションを活用しましょう。Wi-Fi規格(Wi-Fi 6/6Eなど)やBluetoothバージョンも、ワイヤレス機器との相性に影響します。

拡張性

ミニPCはデスクトップほど自由度は高くないものの、モデルによってはメモリやストレージの交換・増設が可能です。底面パネルを外すだけでSSDスロットにアクセスできる機種も多いので、購入前に内部構造や保証条件を確認しましょう。

また、USB4/Thunderbolt/OCuLinkなど高速インタフェースを備えるモデルなら、外付けGPUボックスや高速ストレージケースで性能を底上げできます。ファンカーブ調整やBIOSアップデートの可否といった細かな設定項目も、長期運用時の安定性に影響するポイントです。

ポイント
メモリがSO-DIMM交換式かオンボード固定か、NVMeスロットが2本目まで空いているかなど、拡張余地を把握しておくと後悔が少なくなります。

デスクワーク・リビング向けモデル

ブラウジングやオフィス作業、動画視聴中心なら省電力系のCPU(+GPU)を搭載したミニPCで十分です。静音性と消費電力を重視しつつ、メモリとストレージを足せるかを確認すると長く使えます。

GMKtec NucBox G3S

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スペック

CPUIntel N95
メモリ16GB (DDR4)
ストレージ512GB
GPUオンボード(Intel UHD Graphics)
インタフェース - DC電源 x 1
- USB3.2ポート(TYPE-A) x 3
- USB2.0ポート(TYPE-A) x 1
- HDMIポート2.0 x 2
- 1G LANポート(RJ45) x 1 - 3.5mm オーディオ端子
ワイヤレス - WiFi 5(802.11ax)
- Bluetooth 5.0
OS Windows 11 Pro

省電力なIntel N95と16GBメモリの組み合わせで、Office作業やリモート会議、動画視聴を静かにこなせるエントリーミニPCです。デュアルHDMIによる2画面出力とVESAマウントに対応しているため、モニター背面に隠してデスクをすっきりさせたい人にも好相性。増設用のPCIeスロットが空いているので、後からSSDを足して容量を拡張したい場合にも対応できます。

NiPoGi Mini E1 N150

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スペック

CPUIntel N95
メモリ16GB (DDR4)
ストレージ512GB
GPUオンボード(Intel UHD Graphics)
インタフェース - DC電源 x 1
- USB3.2ポート(TYPE-A) x 2
- USB2.0ポート(TYPE-A) x 2
- DisplayPort x 1
- HDMIポート2.0 x 1
- 1G LANポート(RJ45) x 1
- 3.5mmオーディオ端子 x 1
ワイヤレス - WiFi 5(802.11ax)
- Bluetooth 5.0
OS Windows 11 Pro

手のひらサイズながらDisplayPortとHDMIを備え、会議用ディスプレイやリビングテレビとのマルチ出力がしやすいモデルです。内部には交換可能なSO-DIMMとM.2スロットが用意され、後から容量を増やしたい場合もネジを外すだけで作業可能。静音性が高く、常時起動させてクラウド同期やホームサーバー用途に使いたい人にも向いています。

GEEKOM G13 Pro

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スペック

CPUCore i9-13900HK
メモリ32GB (DDR4)
ストレージ1TB
GPUオンボード(Iris Xe Graphics)
インタフェース - DC電源 x 1
- DisplayPort x 1
- USB4.0ポート(TYPE-C) x 2
- USB3.2ポート(TYPE-A) x 3
- USB2.0ポート(TYPE-A) x 1
- SDカードスロット x 1 - HDMI2.0ポート x 2
- 2.5G LANポート(RJ45) x 1
- 3.5mmオーディオ端子 x 1
ワイヤレス - WiFi 6E(802.11ax)
- Bluetooth 5.2
OS Windows 11 Pro

13世代Core i9-13900HKと32GBメモリを搭載し、動画編集やコードビルド、ローカルAI推論を省スペースでこなしたい人向けのハイエンド機です。USB4ポートを2基備えているため、高速外付けSSDやeGPUボックスとの組み合わせも現実的。さらに2.5G LANとWindows 11 Proを標準で備え、オフィスのドメイン参加やリモート管理が必要なシナリオでもそのまま利用できます。

ゲーミング & AI

軽~中程度のゲームやローカルAI推論を試したいなら、上位クラスのAPU/CPUを積んだモデルを選びます。 デスクトップパソコンに搭載可能な高性能GPUボードほどのパワーはありませんが、eスポーツ系タイトルや写真/動画の軽い処理なら十分。 冷却性能とメモリ帯域が性能に直結するので、設置と設定にひと工夫すると安定します。

最新の高グラフィックなゲームをプレイしたい場合

映像美のある最新ゲームをストレスなくプレイするにはミニPCだけの性能では足りない場合があります。 その場合はミニPCのOCuLinkポート高性能外付けGPUを接続すればプレイが可能になります。

もちろん、ミニPCにOCulinkポートがあることが前提ですので「世の中にある全てのゲームのプレイに支障がないようにしたい」という 希望があればOCulinkポートが存在するミニPCを選びましょう。

重要:上記の希望が強いのであれば、ゲーミングデスクトップパソコンも購入の選択肢に入れた方が良いかもしれません。

GMKtec Nucbox K6

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スペック

CPUAMD Ryzen 7 7840HS
メモリ32GB (DDR5)
ストレージSSD 1TB
GPU オンボード(AMD Radeon 780M)
インタフェース - DC電源 x 1
- DisplayPort x 1
- USB4.0ポート(TYPE-C) x 1
- USB3.2ポート(TYPE-A) x 3
- USB2.0ポート(TYPE-A) x 1
- HDMI2.0ポート x 1
- 2.5G LANポート(RJ45) x 2
- 3.5mm オーディオ端子 x 1
ワイヤレス - WiFi 6(802.11ax)
- Bluetooth 5.2
OS Windows 11 Pro

最新のRyzen 7 7840HSとRadeon 780Mを備え、eスポーツ系タイトルなら設定を調整しながらフルHDで快適に遊べるパフォーマンスが魅力です。USB4と2.5GbEデュアルLANを搭載しており、高速ストレージや外部GPUを組み合わせてワークステーション的に運用することも可能。筐体が小さくても冷却能力が高めに設計されているので、長時間のレンダリングやAI推論でも安定動作を期待できます。

GMKtec Nucbox M7

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スペック

CPUAMD Ryzen 7 PRO 6850H
メモリ32GB (DDR5)
ストレージ1TB
GPU オンボード(Radeon 680M(12 core))
※外付けGPU接続可
インタフェース - DC電源 x 1
- OCuLinkポート x 1
- DisplayPort x 1
- USB4.0ポート(TYPE-C) x 2
- USB3.2ポート(TYPE-A) x 2
- USB2.0ポート(TYPE-A) x 2
- HDMI2.1ポート x 1
- 2.5G LANポート(RJ45) x 2
- 3.5mmイヤホンジャック x 1
ワイヤレス - WiFi 6(802.11ax)
- Bluetooth 5.2
OS Windows 11 Pro

ビジネス向け機能を備えたRyzen 7 PRO 6850Hと大容量メモリを搭載し、開発環境や仮想マシンを常時立ち上げたいユーザーにぴったりのハイスペック機です。標準でOCuLinkを備えるため、将来的に外付けGPUボックスを追加して3Dレンダリングや本格ゲーミングにスケールアップできる柔軟さが魅力。静音ファンとデュアル2.5GbEにより、小型サーバーやクリエイターマシンとしても頼りになります。

GMKtec Nucbox K12

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スペック

CPUAMD Ryzen 7 H 255
メモリ32GB (DDR5)
ストレージ1TB
GPUオンボード
インタフェース - DC電源 x 1
- DisplayPort(1.4) x 1
- OCulinkポート x 1
- USB4.0ポート(TYPE-C) x 1
- USB3.2ポート(TYPE-A) x 3
- USB3.2ポート(TYPE-C) x 1
- USB2.0ポート(TYPE-A) x 2
- HDMI2.1ポート x 1
- 2.5G LANポート(RJ45) x 2
- 3.5mmオーディオ端子 x 1
ワイヤレス - WiFi 6E(802.11ax)
- Bluetooth 5.2
OS Windows 11 Pro

K6よりも高いクロック設定と強化された冷却機構で、重量級タイトルや動画エンコードを長時間回したい人に向く上位モデルです。OCuLinkとUSB4の両方を備えているため、外付けGPUや高速ストレージケースを組み合わせる拡張プランが立てやすく、2.5GbEデュアルLANでNASや配信用PCとしても活躍します。メモリとSSDは工具だけで交換できるため、将来の増設も簡単です。

おわりに

ミニPCはコンパクトながら用途に応じた多彩な選択肢があり、選び方次第で据え置きPCにも劣らない体験が得られます。今回紹介したチェックポイントを押さえつつ、設置環境や周辺機器との相性を見直すことで、自分のワークスタイルに最適な一台を選べるはずです。

次回は具体的なモデルごとの特徴と使い勝手を詳しく掘り下げていく予定です。気になる製品があれば、公式サイトや販売ページでアップデート情報や保証内容も合わせて確認してみてください。